「見えているのに、捕まらない」
迷子猫捜索において、これほどもどかしい状況はありません。特に警戒心の強い猫ちゃんの場合、目の前に美味しいご飯があっても、捕獲器という「罠」を完全に見切ってしまうことがあります。
今回は、東京都東村山市にて、2階のベランダから脱走してしまった9歳の三毛猫「つくねちゃん」の事例をご紹介します。発見は早かったものの、捕獲器には一切入らず、最後は近所のウッドデッキの下に籠城。
「待つ」作戦から一転、ネットを張り巡らせた「攻め」の包囲網作戦で、走り回る大捕物の末に保護された3日間の記録です。
「すぐ近くにいるのに…」多頭飼いのジレンマと高まる警戒心

つくねは、9歳になる三毛猫の女の子です。体重6キロと少しぽっちゃりした体型ですが、性格は非常に臆病で警戒心が強い子です。ある日の夜7時、2階のベランダから不意に脱走してしまいました。
捜索をお願いしたファインドさんが到着すると、なんと開始早々に隣の敷地でつくねを発見!
「よかった、すぐ見つかった!」
そう思ったのも束の間、ここからが長い戦いの始まりでした。つくねは自宅の敷地まで戻っては来るものの、設置した捕獲器には見向きもしません。
「窓を開けて呼び込みましょう」という提案もありましたが、我が家には他にも猫がいるため、窓を全開にして待つことが難しく、少し開けて呼んでみても、警戒したつくねはすぐに逃げてしまいます。
2日目になっても状況は変わらず。大好物のご飯を置いても、手動の捕獲器を仕掛けても、つくねは全てスルー。こちらの必死さが伝わってしまったのか、どんどん警戒心が高まり、最後には近所のお宅のウッドデッキの下へと潜り込んでしまいました。
「もう、ご飯や罠では捕まらないかもしれない…」
長期戦も覚悟し始めた時、捜索員の方からある提案がありました。
ウッドデッキを完全包囲!ネットを使った「追い込み漁」作戦

「つくねちゃんは、捕獲器に入るつもりはありません。この場所(ウッドデッキ下)を特定できている今、攻めの作戦に切り替えましょう」
迎えた最終日となる3日目。捜索員の方は、つくねが隠れているウッドデッキの周りに、逃げ道を塞ぐためのネットを張り巡らせ始めました。それはまるで、獲物を追い込むための要塞作りのようでした。
「全ての出口を塞ぎました。これから追い込みます!」
作戦開始の合図とともに、私と家族、そして捜索員の方による総力戦が始まりました。隠れていたつくねが飛び出し、庭中を走り回る逃走劇!しかし、事前に張り巡らされたネットが退路を断ちます。
人間と猫の知恵比べと体力勝負。走り回って逃げようとするつくねですが、最後は6キロの体が災いしたのか、それとも全力疾走に疲れたのか、バテて動きが止まったところを無事に保護完了!
全員が息を切らしながらも、その場は安堵と笑顔に包まれました。泥だらけになりながら走り回ってくれた捜索員の方には、本当に感謝しかありません。
プロのペット探偵から見たつくねちゃん捜索のポイント
今回のつくねちゃんは、9歳という年齢もあってか非常に賢く、警戒心が強い猫ちゃんでした。1日目、2日目の様子から「捕獲器(罠)を認識して避けている」ことは明白でした。また、多頭飼育環境のため「窓を開放しての誘導(自然帰宅)」もリスクが高く断念せざるを得ませんでした。
そこで最終日に決断したのが、「物理的封鎖による強制捕獲」です。
ターゲットが「ウッドデッキの下」という限定的な場所に留まっていることを利用し、事前に周囲にネットを張って「逃げ場」をなくしてから追い出す作戦をとりました。これは一歩間違えれば猫をパニックにさせて遠くへ追いやる危険な賭けでもありますが、地形と猫の体力を計算に入れた上でのプロの判断でした。
結果、つくねちゃんが走り回ってバテるまで粘り強く対応し、ネットの内側で安全に保護することができました。
今回の成功要因
迷子猫の捜索で大切なポイント
捕獲器に入らない猫ちゃんへの対応は、プロの腕の見せ所です。
1. 捕獲器が全てではない
警戒心の強い猫や、賢い猫は捕獲器に入らないことがあります。その場合、網を使ったり、今回のように追い込んだりと、別の手段を検討する必要があります。
2. 多頭飼いの脱走対策
他の猫がいる場合、帰宅を促すために窓を開けることが難しくなります。脱走した子が戻りやすいよう、ケージに入れた他の猫を窓辺に置くなど、工夫が必要です。
3. 「居場所の特定」が攻めへの第一歩
追い込み作戦ができるのは、「猫がどこに隠れているか」が分かっている時だけです。闇雲に追いかけるのは厳禁。まずはじっくり観察して、隠れ家(アジト)を特定することが解決への近道です。
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