「あそこにいるのは分かっているのに、勝手に入れない…」
「普段は甘えん坊なのに、外では抱っこさせてくれない…」
迷子猫捜索において、猫の発見と同じくらい重要なのが、捜索場所への「立ち入り許可」です。特に、猫が好んで隠れる「空き家」や「民家の裏」は、許可なく立ち入れば不法侵入となり、捜索が中断してしまうこともあります。
今回は、広島県広島市にて、夜の玄関から脱走し、近所の草木が生い茂る空き家に逃げ込んでしまった「うー君」の事例をご紹介します。
あと一歩で逃げられた初日の悔しさをバネに、徹底的な「許可取り」で包囲網を完成させ、2日目でスピード解決へと導いた記録です。
「目の光は見えたけど…」空き家の闇に消えた愛猫
うちのうー君は、3歳になる雑種の男の子です。体重6.5kgとがっちりした体格で、性格はとても人懐っこい子。過去に野良生活の経験もありますが、家に来てからは初めての脱走でした。
10月28日の夜10時頃、私が玄関を開けた際、その隙をついてうー君が外へ飛び出してしまいました。脱走直後、近所の木が生い茂る空き家の方で、キラリと目が光るのが見えました。
「あそこにいる!」
そう思いましたが、そこは他人の敷地。しかも防犯カメラも設置されているようで、勝手に踏み込むわけにはいきません。どうすればいいか分からず、プロであるファインドさんに連絡をしたのは、日付が変わる頃でした。
すぐに駆けつけてくれた捜索員さんと共に確認すると、やはりうー君は空き家にいました。警戒している様子はなく、おもちゃやチュールを見せると近づいてきます。
「これならいけるかも!」
そう期待しましたが、捜索員さんが抱っこしようとした瞬間、外の世界で興奮していたうー君は身をよじって逃げてしまいました。
「あと少しだったのに…」
と、悔しさでいっぱいでしたが、捜索員さんは「行動パターンは分かりました。明日は確実にいきましょう」と、冷静に励ましてくれました。
「許可」という最強の武器を得て、2日目のリベンジ
2日目は夕方からスタートしました。
捜索員さんは、猫を探す前にまず「人」と話すことに時間を割いてくれました。うー君が潜んでいる空き家の管理者さんや、周辺のお宅を一軒一軒回って、事情を説明して「敷地内に入って捜索する許可」を取ってきてくれたのです。
「ほぼ全てのお宅でOKが取れました。これで死角はありません」
その言葉を聞いて、本当に心強く感じました。昨日は遠慮しながらの捜索でしたが、今日は堂々と敷地内からアプローチができます。
夜20時、捜索再開。
うー君は初日と同じように空き家周辺に現れました。昨日と違うのは、私たちに「迷い」がないこと。捜索員さんの指示で逃げ道を塞ぐように配置につき、うー君の動きに合わせて距離を詰めました。
捜索員さんがうー君の行動を完全に見切っていたおかげで、今回は驚くほどすんなりと保護に成功!
無事に戻ってきたうー君を抱きしめた時、安堵で力が抜けました。近隣の方への許可取りなど、私一人では絶対にできなかった丁寧な対応をしてくださったおかげです。本当にありがとうございました。
プロのペット探偵から見たうー君捜索のポイント
今回の現場は、猫が隠れるのに絶好の「緑の多い空き家」でした。
初日に発見できたものの、保護に至らなかった理由は2つあります。一つは「抱獲(手での保護)の難しさ」、もう一つは「立ち入り制限による行動の不自由さ」です。
6.5kgあるうー君は力が強く、人懐っこくても外では警戒モードに入っています。中途半端に手を出して逃げられると、次はもっと遠くへ行ってしまうリスクがありました。
そこで2日目は、徹底的な「根回し(許可取り)」を行いました。
空き家や隣接する民家の敷地内への立ち入り許可を得ることで、捜索員は死角なく猫を追い込むことができます。
「どこに逃げても追跡できる」という状況を作れたことで、うー君の動き(初日と同じルート)を完全に掌握し、余裕を持って安全に保護することができました。
今回の成功要因
迷子猫の捜索で大切なポイント
「そこにいるのに捕まえられない」時は、環境を整えることが先決です。
1. 勝手な立ち入りはNG
どんなに心配でも、他人の敷地や空き家に無断で入るとトラブルになります。警察沙汰になれば捜索どころではありません。必ず許可を取るか、プロに交渉を任せてください。
2. 「人懐っこい」は油断禁物
家の中で甘えん坊でも、外に出た猫はパニック状態です。抱っこしようとして顔を引っ掻かれたり、噛まれたりするケースが後を絶ちません。無理に素手で捕まえようとせず、道具やキャリーへの誘導を優先しましょう。
3. 空き家は猫の楽園
人の出入りがなく、雨風をしのげる空き家は、脱走猫が真っ先に目指す場所の一つです。近所に空き家がある場合は、重点捜索エリアとしてマークしておきましょう。
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