こんにちは。迷子猫ちゃん捜索ナビの鈴木です。動物行動学の修士号を取得し、猫専門の捜索員として10年間、特に猫の行動パターン分析を専門に研究してきました。
今日は、新しく家族に迎えた猫ちゃんが脱走してしまった時の特別な問題についてお話ししたいと思います。それは「帰巣本能」と「前の家への執着」という、猫の本能的な行動です。
「やっと新しい家族として迎えたのに、なぜうちの子は逃げてしまうの?」「前の家に帰りたがっているのかしら?」そんな不安を抱えている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
これは決して「新しい家族を拒否している」わけではありません。猫という動物の本能的な行動なのです。理解することで、適切な対応ができるようになります。
今日は、新しく迎えた猫ちゃんの脱走理由と、その対処法について詳しくお伝えしますね。
新しい家族なのに、なぜ逃げるの?猫ちゃんの心の中
「前のお家に帰りたい」という気持ち
まず、基本的な事実からお伝えします。
新しい環境に来て間もない猫ちゃん(引っ越し直後、新しく迎えた猫ちゃんなど)は、前の住環境に戻ろうとする場合があります。
これは動物行動学でいう「帰巣本能」の一種で、猫ちゃんだけでなく多くの動物に見られる自然な行動です。新しい環境にまだ慣れていない猫ちゃんにとって、前の環境は「安全で慣れ親しんだ場所」として記憶に強く残っているのです。
実際によくある事例
現場での経験を通じて、こうした事例は決して珍しくないことを痛感しています。
引っ越し後に脱走した猫ちゃんが前の家に戻っていたという事例は多いです。
新しく迎えた猫ちゃんの場合も同様で、保護施設や前の飼い主さんのお家、ブリーダーさんのところなど、以前いた場所に向かってしまうことがあります。これは飼い主さんを嫌っているのではなく、猫ちゃんの本能的な行動なんです。
猫ちゃんが感じている「ここは安全?」という不安
記憶に残る「安心できた場所」への想い
猫ちゃんの行動を理解する上で重要なのは、彼らの縄張り意識です。
猫ちゃんにとって「縄張り」は生存に直結する重要な概念です。食べ物がある場所、安全に隠れられる場所、危険を避けられるルートなど、生活に必要な全ての情報が縄張りには含まれています。
新しい環境では、これらの情報がまだ蓄積されていません。そのため、ストレスを感じた時や危険を感じた時に、本能的に「安全だと分かっている場所」つまり前の住環境に戻ろうとするのです。
猫ちゃんの優れた「道しるべ記憶」
猫ちゃんの帰巣行動には、優れた記憶力と嗅覚が関わっています。
猫ちゃんは自分が通ったルートや匂いを詳細に記憶する能力があります。新しい環境に来てもなお、前の場所への「道筋」を覚えているため、実際にその方向に向かって移動してしまうことがあるのです。
新しく迎えた猫ちゃんが特に注意が必要な理由
まだ慣れていない期間は、ちょっとしたことでも脱走の引き金に
新しく迎えた猫ちゃんは、まだ新しい環境に完全に適応できていない状態です。
この期間中は、些細なストレス(大きな音、来客、環境の変化など)でも脱走の引き金になりやすく、一度外に出ると前の住環境に戻ろうとする可能性が高くなります。
一般的に、猫ちゃんが新しい環境に慣れるまでには2週間から数ヶ月かかると言われています。この期間中は特に注意が必要です。
想像以上に強い「あの場所が恋しい」という気持ち
新しく迎えた猫ちゃんの場合、前の場所への執着は想像以上に強いことがあります。
特に、前の環境で長期間過ごしていた猫ちゃんや、前の環境で強いストレスを感じずに過ごしていた猫ちゃんほど、その傾向は強くなります。
これは決してネガティブなことではなく、その猫ちゃんが前の環境で安心して過ごせていた証拠でもあるのです。
もし脱走してしまったら:効果的な捜索のコツ
まず最初に確認すべき「前のお家」
新しく迎えた猫ちゃんが脱走した場合、まず最初に確認すべきは前の住環境です。
保護施設から迎えた場合は施設に、ブリーダーさんから迎えた場合はブリーダーさんに、前の飼い主さんがいる場合はその方に、必ず連絡を取って確認してもらってください。
多くの場合、前の場所やその周辺で発見されることがあります。
猫ちゃんが辿る「懐かしい道筋」を予測する
猫ちゃんの帰巣行動では、直線的に移動するとは限りません。
猫ちゃんが覚えている道筋(以前の散歩コースや、移送時に通ったルートなど)を辿って移動することがあります。そのため、前の住環境から新しい住環境までの間のルートも重要な捜索エリアになります。
焦らず継続:猫ちゃんは時間をかけて移動します
新しく迎えた猫ちゃんの帰巣行動は、時間をかけて行われることが多いです。
1日で前の場所にたどり着くとは限らず、数日から数週間かけて少しずつ移動することもあります。そのため、継続的な捜索と、前の場所への定期的な確認が重要になります。
脱走を防ぐために:新しい家族を安心させるコツ
段階的に慣らして「ここが安全」を教えてあげる
新しく猫ちゃんを迎える際は、段階的な環境への慣らしが重要です。
最初は一つの部屋から始めて、徐々に行動範囲を広げていく方法が効果的です。新しい環境での「安全な場所」を作ってあげることで、ストレスを感じた時の逃避行動を減らすことができます。
慣れるまでの期間は、いつも以上に注意深く
適応期間中は、通常以上に脱走防止に注意を払ってください。
窓やドアの施錠確認、来客時の注意、工事や騒音がある際の配慮など、猫ちゃんがストレスを感じやすい状況を最小限に抑えることが大切です。
馴染みの匂いで「安心できる空間」を作る
可能であれば、前の環境で使っていたタオルやおもちゃなど、馴染みのある匂いのするものを新しい環境に持ち込むことで、安心感を提供できます。
ただし、これは前の飼い主さんや施設の方と相談の上で行ってください。
飼い主さんへのメッセージ
新しく迎えた猫ちゃんが脱走してしまうと、「自分のことを嫌っているのかも」「新しい家族として受け入れてもらえていないのかも」と自分を責めてしまう飼い主さんも多いです。
でも、そんなことはありません。これは猫ちゃんという動物の自然な本能的行動なのです。
大切なのは、猫ちゃんの気持ちを理解し、適切な対応を取ることです。時間をかけて新しい環境に慣れてもらい、「ここが安全で快適な場所だ」と認識してもらうことで、必ず素晴らしい家族関係を築くことができます。
もし脱走してしまった場合でも、諦めずに適切な方法で捜索することで、再会の可能性は十分にあります。猫ちゃんの行動パターンを理解することが、効果的な捜索につながるのです。
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