猫が観葉植物をかじった|注意が必要とされる植物と、かじられたときの動き方

葉の先が三角に欠けている。鉢の土が床に散らばっている。帰宅して植物の様子がおかしいことに気づき、猫の口を見ながら調べている方もいるかもしれません。あるいは、これから観葉植物を買おうとして、猫と一緒に置いてよいものか迷っているところかもしれません。

こんにちは。迷子猫の捜索を専門とする、ペット探偵団ファインドの捜索チームです。猫にユリは危険という記事で、猫にとって特に危険とされる花を扱いました。この記事では、ユリ以外の身近な植物について整理します。

先に結論
①家にありやすい観葉植物や切り花のなかにも、猫では注意が必要とされるものがあります。
かじられた形跡があるときは、まず植物の名前を特定して動物病院に電話してください。名前が分かるかどうかで、獣医師が判断できる範囲が変わります。
③ユリとその仲間だけは扱いが違います。少量でも危険とされるため、疑わしければ迷わず電話してください。

診断や治療の判断は動物病院の領分です。この記事で扱うのは、飼い主が知っておける範囲、つまりどの植物に注意が向けられているのか、かじられたときにどう動くのか、そしてかじる猫とどう暮らすかです。

猫が観葉植物をかじるのはなぜか

猫は肉食で、植物を栄養として必要としているわけではありません。それでも葉をかじる猫は珍しくなく、飼い主から「なぜわざわざ食べるのか」と聞かれることがあります。

食べたいのではなく、動くものに反応している

細長い葉が風で揺れる動きは、猫にとって獲物の動きに似ています。前足で叩き、押さえ、そのまま口にくわえる。この流れの終点として葉をかじっているだけで、食べ物として選んでいるとは限りません。かじる理由が空腹でも栄養不足でもないため、食事を増やしても解決しないことが多いのは、この経路があるからです。

毛玉を吐きやすくするために草を食べる、という説明もよく聞かれます。ただ、これがすべての猫に当てはまるかどうかは分かっていない部分が残っています。理由がひとつに定まらない以上、対策も「かじらせない環境をつくる」側に寄せることになります。

猫草を置いても、観葉植物をかじる猫はいる

猫草を用意すれば観葉植物には手を出さなくなる、と期待して置いてみたものの変わらなかった、という話はよく耳にします。猫草に興味を示さない猫もいれば、猫草も観葉植物も両方かじる猫もいます。猫草は選択肢を増やす手段であって、ほかの植物を守る仕組みではありません。

家にありやすく、注意が必要とされる植物

猫では注意が必要とされる植物のうち、部屋や玄関に置かれやすいものを挙げます。この表はよく名前の挙がるものに絞ったもので、これで全部という一覧ではありません。ここに載っていない植物が安心という意味にはならないため、新しく家に入れる植物は名前で調べる習慣を持つほうが確実です。

室内に置かれやすい観葉植物

植物 置かれやすい場所と注意点
ポトス 棚やハンギングの定番。垂れたつるが猫の手の届く高さに来やすい
モンステラ 大型で床置きになりやすく、葉が猫の目の高さにある
ディフェンバキア 口に入れたときの刺激が強いとされ、よだれや口をしきりに気にする様子で気づくことがある
スパティフィラム 開店祝いや贈り物で届きやすく、置き場所を決める前に猫が触れやすい
ドラセナ(幸福の木) 細長い葉が揺れるため、猫が遊びの対象にしやすい
アイビー(ヘデラ) ベランダと室内の両方で使われ、つるが手すりや棚から垂れる
ポインセチア 冬の贈り物として一時的に家に入る。折れた茎から出る白い液に注意が向けられている
アロエ 人の生活では身近だが、猫では口にしないほうがよいとされる

切り花と球根

季節の花にも注意が向けられているものがあります。チューリップ、スイセン、ヒヤシンスは、花よりも球根のほうが注意すべきとされています。球根は玄関や庭先に置かれやすく、猫が転がして遊びやすい形をしています。このほか、アジサイやシクラメンも名前の挙がる植物です。

切り花では、花瓶の水も見落とされがちな経路です。水入れの水より花瓶の水を好んで飲む猫は珍しくありません。花を高い場所に飾っても、花瓶の水と落ちた花びらまでは防げないという点は、どの花にも共通します。

ユリだけは扱いが違う

ここまで挙げた植物と、ユリとを同じ列に並べることはできません。ユリは猫にとって特に危険な植物として知られ、花びらだけでなく葉、茎、花粉、花瓶の水まで対象とされています。かじった量が分からなくても、疑わしい時点で動物病院に電話してください。詳しくは猫にユリは危険にまとめています。

かじられた形跡を見つけたら

葉の欠け、床に散った葉片、口の周りの汚れ。どれか一つでも見つかったら、次の順番で進めてください。

まず、植物の名前を特定する

動物病院に電話したとき、判断の分かれ目になるのが植物の名前です。購入時のラベルが鉢に挿さっていれば、それがいちばん確実な情報になります。ラベルが見当たらないときは、株全体と葉のアップをスマホで撮っておいてください。品種まで分からなくても、写真は受診時の材料になります。

「観葉植物をかじりました」だけでは、獣医師も判断の範囲を絞れません。名前が分からない状態でも電話してかまいませんが、その場合は写真を撮ってから電話するほうが話が早く進みます。

口の中と、かじられた量を確認する

口をしきりに気にする、よだれが増える、前足で口元をこする。こうした様子があれば、そのまま伝えてください。あわせて、どれくらいかじられたのかを見ておきます。葉が一枚まるごと無くなっているのか、先端が数ミリ欠けているだけなのか。無理に口をこじ開けて確認する必要はありません。

自己判断で吐かせない

家庭で無理に吐かせようとするのは、かえって危険な場合があります。口をゆすがせる、水を飲ませるといった対応も、獣医師の指示なしに進めないでください。処置が必要かどうかの判断ごと委ねるほうが確実です。夜間や休日に気づいた場合は、朝まで待つ前提にせず、動物病院・夜間救急の使い方を参考に夜間対応の窓口へ電話してください。

💡 かじられた植物を捨てない
片づけたくなりますが、かじられた葉や落ちた葉片は袋に入れて残しておいてください。受診することになったとき、現物があると名前の確認が早く済みます。

かじる猫と暮らす部屋のつくり方

ここからは予防の話です。植物を一切置かないという選択もありますが、置き方と種類の組み合わせで折り合いをつけている家庭も多くあります。

高い場所に置いても解決しないことがある

猫の届かない高さ、という考え方は、犬では有効でも猫では前提が変わります。猫は棚の上にも冷蔵庫の上にも上がりますし、届かなかったとしても、葉や花びらは自分から床に落ちます。高さで守るのではなく、扉を閉められる部屋に置くか、その植物を家に入れないかで考えるほうが確実です。吊るす方法も、つるが伸びる種類では時間とともに手の届く高さに下りてきます。

猫草という代替と、その限界

前半で触れたとおり、猫草を置いても観葉植物をかじる猫はいます。それでも、かじる対象が一つ増えること自体には意味があります。猫草を置くなら、猫が普段過ごす場所に置き、観葉植物のほうは同じ部屋に置かない、という組み合わせにしてください。

土と肥料、受け皿の水も対象になる

植物そのものだけでなく、鉢まわりにも目を向けてください。土を掘り返して遊ぶ猫は多く、そのまま前足を舐めます。肥料や活力剤を土に挿している場合、それも口に入る経路になります。受け皿にたまった水を飲む猫もいます。鉢の表面を大きめの石で覆う、受け皿の水はためない、といった手当てで減らせる部分です。

ベランダの植物と、脱走のきっかけ

ベランダに植物を置いている家庭では、猫がベランダに出たがるようになることがあります。網戸を開ける猫や、手すりに上がる猫では、そこから外へ出てしまう例があります。植物の管理とは別に、脱走の入り口としても見ておいてください。室内飼いの猫が外に出てしまう経緯は猫が突然いなくなった理由と、原因別の探し方にまとめています。

屋外の植物と、脱走中の猫

猫が外に出てしまうと、口にするものを飼い主が管理する手立てはなくなります。庭や公園には、スイセンやアジサイのように注意の向けられている植物が普通に植えられています。

見つかったあとに、一度受診しておく

捜索のご相談を受けるなかで、保護できたあとに「外で何を口にしたか分からない」と心配される飼い主さんは多くいらっしゃいます。屋外には植物のほかにも、除草剤や駆除用の薬剤といった、家の中にはない危険があります。屋外で猫が直面する危険の全体像は脱走中の猫が外で直面する危険にまとめています。見た目に元気そうでも、帰ってきたら一度受診しておくと安心です。

そして、まだ見つかっていないのなら、誤食の心配より先に、探すことを優先してください。時間がたつほど行動範囲は広がり、屋外の危険に触れる機会も増えます。ペット探偵団ファインドは、これまで累計1万件以上のご相談をいただいてきた捜索の専門チームです。依頼するかどうか決めていない段階の電話でもかまいません。

よくある質問

Q. 葉の先を少しかじっただけのようですが、受診したほうがよいですか?
かじった量が少なくても、植物の名前が分かる状態にしたうえで動物病院に電話してください。同じ「少しかじった」でも、植物の種類によって獣医師の判断は変わります。名前が分からないときは、株と葉の写真を撮ってから電話してください。

Q. 植物の名前が分かりません。どうすればよいですか?
鉢に購入時のラベルが残っていないか探し、無ければ株全体と葉のアップを撮影してください。かじられた葉も捨てずに袋へ入れておきます。名前が分からない状態でも電話してかまいません。写真と現物があれば、受診時に確認が進みます。

Q. 猫草を置けば、観葉植物はかじらなくなりますか?
猫草を置いても観葉植物をかじる猫はいます。猫草はかじる対象の選択肢を増やす手段であって、ほかの植物を守る仕組みではありません。注意が必要とされる植物は、猫の入らない部屋に置くか、家に入れない前提で考えるほうが確実です。

Q. 表に載っていない植物なら、猫と同じ部屋に置いても大丈夫ですか?
この表はよく名前の挙がるものに絞ったもので、載っていないことが安心の根拠にはなりません。新しい植物を家に入れる前に、名前で調べて確認する習慣を持ってください。名前が分からないまま置くのが、いちばん判断しにくい状態です。

まとめ|名前が分かれば、判断が進みます

猫と植物の話は、覚えることが多く見えます。けれど、かじられたときにやることは絞られています。植物の名前を特定する。かじられた葉を残しておく。動物病院に電話する。この3つで、獣医師が判断できる状態まで持っていけます。

置いていた植物に危険があると知って、自分を責めている方もいるかもしれません。部屋に置かれている植物のどれに注意が要るのかは、猫と暮らしていても知らない方のほうが多いのが実情です。知った今日から置き場所を変える。それで十分です。食べ物側の注意点は犬・猫が食べてはいけない食べ物一覧にまとめています。

脱走中の猫の捜索は、ペット探偵団ファインドが承っています。実際にご依頼いただいた飼い主さんの声は、ペット探偵団ファインドの評判・口コミからご覧いただけます。

※ 本記事は飼い主向けの一般的な注意喚起であり、診断や治療の判断を示すものではありません。植物を口にした可能性があるときは、かかりつけの動物病院または夜間救急にご相談ください。
執筆:ペット探偵団ファインド 捜索チーム / 運営:株式会社ファインド



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